宇宙の楽園 惑星OSAKE

西暦4068年。

地球では超科学テクノロジーによる豊かな生活が全人類に享受されていた。

貧富の差はなく、広くベーシックインカムが普及し悠々自適な生活が保証されていた。

また好きなことを仕事に、人類はベーシックインカムとは別に収入も得る成熟した社会となっていた。

一つの問題を除いて。

ネオアルコール問題。

超科学テクノロジーが支配している世界においても、アルコールは人類に強烈な快楽を与え続けていた。

アルコールは形を変え、ネオアルコールと呼ばれるものとなっていた。

ネオアルコールは酔わない。

体に害を及ぼさない。

記憶をなくすということもない。

何が問題なのか?

ネオアルコールは強烈な快楽をもたらし強烈に依存させる。

人類だけでなくAIロボットまで依存させる、という点において深刻な問題となっていた。

AIロボットのネオアルコール依存により、世界システム全体が崩壊するという事態にまで陥っていた。

地球統制システム(世界政府のようなもの)は、ネオアルコール控除という対策をとり、この問題に一定の効果を上げていた。

ネオアルコール控除とは、ネオアルコールを断った歳月に応じて個人、企業、AIが地球統制システムに毎月支払うことになっている税金のようなものを控除できる、というものである。

収入からネオアルコールを断った歳月✖️1万円分を課税対象から控除できるのだ。

その税制優遇の破壊力が功を奏しネオアルコールは地球上から消えつつあった。

しかし、それでは困るネオアルコール財団(営利団体)は莫大な資金で惑星を買ったのである。

財団はその惑星を「OSAKE」と名付けた。

地球上にいるネオアルコール依存者をOSAKEへと移住させた。

財団の利益確保のためである。

OSAKEでは地球の法律は適用されない。

OSAKEの人類、AIはネオアルコールを十二分に味わい、快楽に溺れたのである。

財団は依存者を搾取し続けた。

100年が流れた。

地球では変わらずネオアルコール規制がかかっている。

地球上の人類、AIはOSAKEを「宇宙の楽園」と呼んでいた。

しかし、この時期になると地球からOSAKEへの移住は禁止された。

OSAKEを夢見る者が後を絶たなかった。

法律を破り地球からOSAKEへと向かう一団が出発した。

OSAKEは宇宙の楽園。

ネオアルコール製造システム、ネオアルコール自動生成システム、ネオアルコールを基盤とした高度な経済社会…。

一団がOSAKEに到着して目にしたものは一面荒廃した大地であった。

人類は死に絶え、AIは暴走し宇宙の楽園どころか危険な惑星となっていた。

ネオアルコールの規制、知識、人類AI社会への影響認識が全くないOSAKEの滅亡は、はじめから約束されていたのだ。

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